サプリメント中毒の母から、おこぼれをもらいはじめた話

 

 

母が1日に15種類のサプリメントを飲んでいる。

 

最近は数えるのをやめたので今や15種類以上かもしれない。しかも1日2錠以上飲まなければならないのものがほとんどなので、実質1日に40錠近くの錠剤を体内に取り込んでいることになる。人間の胃にはそれだけの固形物が投入されても耐えうるほどの潜在能力があるのだ。

それでは証拠写真をお見せしよう。

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誤解のないように言うと、箱に入っているものは全てサプリメントだ。ちなみにこれら全てが信頼・安心・低価格のDHC様の商品である。かれこれ20年以上貴社の製品にはお世話になっております、いつもありがとうございます。特にオリーブバージンオイルに関しては母の学生時代からの守り神らしい。回し者ではない。

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我が家ではDHCからの定期便という名の在庫発注が週1回くらいのペースでやってくる。DHCが押し売りしているわけではない。母親が勝手に頼んでいるのだ。いつからこの家はコンビニになったのだろうか。母が10年以上前に経験した、今は亡き、赤い長靴に赤帽子のKの店長というキャリアがここで活きるとは、帝京平成大学に喰われたアイツも喜んでいるだろうよ。サンガツ

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話を戻すと、

そもそも母はのめり込みやすい性分なのか、ついこの間まで、いついかなる時も毎日パブロンゴールドA顆粒を服用せずにはいられない「パブロン中毒」であった。

そんな信心深い愚直な母を、「また新手の宗教に手を出して…」と冷ややかな目で見ていた私だが、なんだかんだでここ最近は母の「おこぼれ」をいただくことにしている。

 

その内訳と、2ヶ月近く使い続けた所感は以下の通りである。

 

どうやらたくさんのビタミンとミネラルが入っていることしかわからない。一日4錠も飲まなければならない。臭い。まずい。ただ、平成最後のインチキ科学・水素水カプセルを半信半疑ながらいまだに服用しているような母は、この商品を悪く言っているところを見たことがない。良薬口に苦しという言葉を信じるしかない。

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  • ヘム鉄

これは母も入信する以前から長らく服用していたし、私自身も度々頂戴していた。日常的に摂取している女性も多いのではないだろうか。そろそろ母の閉経の時が近づいてきており、日々悲しみにくれる彼女の華奢な後ろ姿を思い出しながら、今日もヘム鉄をいただく。色々大変だけどこれからもメスを楽しんでこうな。チュッ……

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 母が私の胃腸の弱さを見かねて賜ってくだすった。小学三年の頃に、ヤクルトのおばちゃんが持ってきた、腸内環境をよくする瓶のヨーグルトドリンクに激ハマりし毎日愛飲していたところ、腸がキレイになりすぎて何日も下痢が止まらなくなり、To be, or not to beの境地に至ったトラウマがあったので躊躇していたが、無事便秘が減った。

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最近甘味と塩分を感じ取れなくなる味覚障害に陥ったのでマンマが入手してくださった。もお、心配性なんだから>< 結果的に無事味覚も回復し更には目覚めが良くなった。ところによると精力増強にもいいらしいですね。卍生涯現役卍

ただ普段の食事でも摂取できる栄養素なので優先順位は低め。

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急に方向性が美に。いや、美意識やエチケットもありますけど背景には八半世紀規模の壮大なドラマがあったんだ…。

新曲だ、聴いてくれ、『10年間うなじがケモノ臭を放っていた』

 

♪あらかじめ言っておくが

うなじ以外は臭わないんだ

むしろベビーのあたたかな香りがする

 

俺も対策はしたんだぜ

保湿が足りないんじゃないのかとか

洗い足りないんじゃないのかとか

石鹸の種類が悪いのかなとか

ボディクリームにスクラブにミノン

色々試してはみたのさ

 

でも

うなじがケモノ臭を放ってるんだ

そのせいでトップスを毎日洗濯してたんだ

毎日洗うとなると化繊しか着られないから

余計に悪化しそうじゃんか

 

うなじがケモノ臭を放ってるから

母は俺の服を汚物のようにつまんだ

うなじは女性らしさの象徴だろうから

もう俺はオンナでいることを諦めたんだ

 

センキュー………

 

というドラマがあったんですね。

というわけで水素水をまだ信じている母にすら全く効かなかったコレを、半ば押し付ける形で私に飲ませたわけだ。

正直ブルガリアンローズなるものを、水素水ほどではないにせよインチキ科学寄りだと疑ってかかっていたのだが、意外にも一番効果を感じたのがこれであった。

結果から言うと、飲んだ次の日にケモノ臭が消えていた。

わかりやす〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜………………

都合良すぎ………

今までの苦しみ何だったん?

体は正直

?????

 

効く人はすげ〜効くみたいだぜ!

 

後日譚を話すと、ブルガリアンローズを服用し始めて数日経った後、キメる前に長いこと着回していた薄手のコートを引っ張り出したら、鼻を突く激烈なケモノ臭が襲ってきて、前から分かってたけどこんなに臭かったんだ…今までこの悪臭で今までどれだけたくさんの人に迷惑をかけてきたんだろう…満員電車で私の背後に立ってた人とかマジでごめん…と号泣しながら処分した。

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うなじの亡霊も消えて、これからのゥチの人生バラ色確定ぢゃん!

🌹STY🌹

 

DHC、だぁ〜いすき!

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1000字エッセイ『喫茶店』

「紅茶の美味しい喫茶店」という有名なフレーズがあるが、私は専らコーヒー派である。

休日はバイトに行くか喫茶店に行くためだけに外出する。家にも器具はあらかた揃っているが、昭和の色香残る空間で頂く店主の一杯に代わる至福は無い。


沈み込むソファー席で、手作り感の溢れるメニューを開き、どうせならここの名物にしようか、それとも定番メニューにしようか、などと考える時間が良い。

ちなみに私はブレンドではなく、それぞれの産地の個性が際立つストレートコーヒーをよく頼む。特に香り高く酸味の効いたモカ・マタリが好きだ。果皮が入ったほんのり温かいパウンドケーキがよく合う。
ケーキを三分の二ほど食べ進めたあたりで持ってきた本を開く。そのうち集中が途切れてふと顔を上げると、聴き覚えはあるけれど題名を知らないクラシックや、誰かの煙草の匂い、カップを置く音などがやけにはっきりと印象づけられる。非現実からまた別の非現実に戻されるような、そんな不思議な心地だ。

 

立地による客層の違いを肌で感じるのも楽しい。

有名店が軒を連ねる神保町や高円寺、下北沢では若者が多くを占める。カップルがデートの休憩に訪れていたり、サークル仲間とスマホ片手に談笑する姿が賑やかな雰囲気を形成している。

一方でオフィス街や下町の小ぢんまりとした喫茶店はスーツのシルエットと煙草の匂いで覆われる。商談の隠せない緊張感や、スポーツ紙を真面目な表情で凝視する人の滑稽さ、旧友との思い出話に花を咲かせる和やかな空気が入り混じり、肩肘張らない絶妙な居心地の良さを生んでいる。こういった常連客で細々と続くような店ではバイトを雇っている様子もなく、毎度同じ店主が同じような表情で迎えてくれる。何より店主のこだわりの味をそのまま頂くことができるし、手が空いていると豆へのこだわりを滔々と語ってくれることもある。こうして私は後者のような喫茶店に、半ばお布施のような気持ちで通ってしまうのである。


ところでコーヒーを飲む、という行為には必ず「大人」が絡みつく。若いうちはブラックで飲むなんて大人だね、と言われることが多い。「珈琲」は大人びたものとしての一つのアイコンなのであろうか。
きっといい大人になったら、かつて大人だね、と言われたその一杯で、今立っている大人という地点をぼんやりと俯瞰することになるのだろう。店の片隅で聴いていたワン・モア・カップ・オブ・コーヒーに思いを馳せながら。